日本における教育改革の考え方
教育は国家百年の計と言われるように、国の重要な柱です。どんなに資源が豊富であったとしても、それを活用する能力や思考力を有する人材がいなければ、有効に使うことができません。特に、資源小国である日本は、技術立国としてモノづくりに力を入れ、高度経済成長を成し遂げました。また、少子高齢化が進行し、国力のバロメーターとなる人口が減少していく中、経済力を維持していくためには、優秀な人材が必要となります。このため、教育の最終過程にある大学に対して、教育改革を行い、産業界が必要とする人材を輩出することが求められています。
文部科学省から出された通達は、後になって否定されてはいますが、文系学部を廃止し、実学的な理系学部に重点を置くような内容になっていました。しかし、単に実学ができるだけでは優秀な人材は育たないとも主張されており、実学的な知識や能力のバックボーンとして、教養を身に付けることが必要と考えられています。経済産業省からは社会人基礎力という概念が示され、こういった力を身に付けることができる教育を実施することが大学に求められています。一方で、昨今教育改革に関する答申等が矢継ぎ早に出され、付け焼き刃の改革に終わらないか懸念する意見も出されており、百家争鳴の状況にあります。